無神論の首都 [ die Hauptstadt des Atheismus ディ ハウプトシュタット デス アテイスムス ] とも呼ばれるベルリン。その歴史は、あらゆる宗教に寛容だった、というか税金さえ払えば誰でもどうぞ、というスタンスをとった老フリッツ [ フリードリヒ二世 ] にまでさかのぼるわけですが、今でもベルリンは宗教関係の休日が全国で一番少ない州 [ das Land: ただし日常会話の中では頻繁に das Bundesland ブンデスランド と呼ばれます ] です。
わが家は Botanischer Garten [ ボターニッシャー ガーテン 植物園 ] 近くにあり、旧西ベルリンの奥に位置します。近所にはカトリック教会とプロテスタント教会があり、毎週日曜のミサに行く人もいないわけではありませんがかなり少数派です。私の行動範囲の北限がおよそ KaDeWe [ Kaufhaus des Westens カーデーヴェー: デパート ] あたりという具合なので、旧東ベルリンの地域に関してはわかりません。
der Atheismus [ アテイスムス 無神論 ] の語頭についている a [ ア ] は 不・非 を意味する前綴。これは便利で、sozial [ ゾチアール 社会的 ] とくっついて asozial [ アゾチアール 非社会的 ] 、moralisch [ モラーリッシュ 道徳的 ] とくっついて amoralisch [ アモラーリッシュ 不道徳な ] 、となります。
Atheismus から 前綴の a をとると der Theismus [ テイスムス 有神論 ] 。語源はギリシャ語のテオス [θεός ( theós ) 神 ] です。
さらに、全・総・汎 を意味する pan [ パン ] という前綴がくっつくと、der Pantheismus [ パンテイスムス 汎神論 ] 。パン パシフィック [ Pan Pacific 環太平洋 ] の パン もこれで、太平洋をぐるりと囲む全域を意味します。
例えば パンパシ水泳選手権 というように、日本にいた頃にはよく聞いた パンパシフィック。ドイツではまだ聞きたことないかもしれません。
Es gibt tatsächlich kein Pan Pacific Hotel.
そういえば パンパシホテルもないよね。
